※本記事にはプロモーションが含まれます
こんにちは、現役小学校教師のタカ先生です。
「同じ時間、同じ問題数をやっているのに、なぜあの子は伸びてうちの子は伸びないんだろう」。保護者の方からよくいただく相談です。
私はこの問いに、はっきりした答えを持っています。差がつくのは勉強の量ではなく、丸つけをしたあとの数分です。
去年、担任していた5年生のクラスでこの話をしました。すると、ある子がその日の宿題から変わったのです。今日はその実話を含めて、私が教室で子どもたちに実際に見せている「学習レベルの5段階」をそのままお伝えします。
教室で子どもたちに見せた、学習の5レベル
私は授業で、この段階をマインドマップに整理して子どもたちに見せました。ただ口で説明するのではなく、図にして「今の自分はどこにいる?」と考えさせたのがポイントです。
| レベル | 取り組み方 | そのとき起きていること |
|---|---|---|
| Lv.0 | 問題をやらない | スタートラインに立っていない |
| Lv.1 | やって終わり | 作業を済ませただけ。学びはほぼ残らない |
| Lv.2 | 適当に丸つけする | 間違いに気づけていない |
| Lv.3 | しっかり丸つけする | 間違いに「気づけた」状態 |
| Lv.4 | 間違えたところを考え直せる | なぜ間違えたかを自分で追える |
| Lv.5 | 直したあと、自分のミスをコメントに残せる | 自分の学びを客観的に見られている |
大事なのは、Lv.1からLv.5まで、かかる時間はほとんど変わらないということです。丸つけのあとに数分足すだけ。それなのに、1年後の差は驚くほど大きくなります。
レベルごとに、何が起きているのか
Lv.1「やって終わり」——一番もったいない状態
宿題プリントを全部埋めて、そのまま提出。教室で一番多いのがこのタイプです。本人はちゃんと勉強したつもりでいるので、たちが悪い。間違えたまま覚えてしまうことすらあります。
Lv.2「適当に丸つけ」——実は0とほぼ同じ
答えを見ながら流し見で丸をつけていく。間違いに気づかないまま丸をつけてしまう子もいます。この段階は、勉強したというより「勉強した気持ちになった」だけです。
Lv.3「しっかり丸つけ」——ここでようやく学びが始まる
一問ずつ確認して、間違いをきちんとバツにできる。ここで初めて「自分はここができていない」という情報が手に入ります。多くのご家庭が目指しているのは、たぶんこのレベルだと思います。
Lv.4「間違いを考え直せる」——伸びる子はここにいる
バツをつけて終わりではなく、「なぜこうなったんだろう」と考え直す。答えを写すのではなく、もう一度自分で解いてみる。教室で成績が安定している子は、ほぼ全員このレベル以上です。
Lv.5「ミスをコメントに残せる」——学びを客観視できている
これが最上位です。直したあと、ノートの余白に自分のミスについて一言書く。実際に子どもたちが書いていたのは、こんな言葉です。
「図を書いてなかった」「くり下がりでミスした」
注目してほしいのは、どれも「間違えた」ではなく「なぜ間違えたか」に目を向けていることです。「計算ミス」で終わらせず、原因まで降りていく。ここまでできると、次に同じ問題に出会ったときに自分でブレーキをかけられるようになります。
レベル表を見せた翌日から変わった、ある5年生の話
このマインドマップを見せた日、クラスの中に「自分はLv.1だ」と気づいた子がいました。
その子はその日の宿題からやり方を変えました。だんだん、ではありません。次の日に提出されたノートを見て、私の方が驚きました。丸つけが丁寧になり、間違えた問題の横に自分の言葉でコメントが書いてあったのです。
一番大きく変わったのは「家庭での取り組み方」
教室での様子も変わりましたが、最も変化が出たのは家庭での宿題の取り組み方でした。私が見ていない場所での勉強の質が変わった。これは教師にとって、一番うれしい変化です。
なぜ家庭で変わったのか。私はこう考えています。「良い勉強とは何か」の基準を、その子が自分の中に持てたからです。基準がなければ、子どもは「終わらせること」をゴールにします。基準があれば、自分で自分の勉強を採点できるようになります。
点数より先に、学びに向かう姿勢が変わった
もちろんテストの点数も上がりました。でも私が「目を見張る」と感じたのはそこではありません。自分の学びを客観的に見られるようになったことです。
「ここは前もミスしたところだ」「今回は図を描いたからできた」。自分の学習を外側から眺める目が育つと、あらゆる場面で伸び始めます。算数だけでなく、他の教科でも、話し合い活動でも変わっていきました。
そして、その子は今6年生です
私はその子を6年生でも担任しています。成長は止まっていません。今も伸び続けています。
一時的にやる気が出ただけなら、こうはなりません。やり方が身についた子は、放っておいても伸びていく。15年間教師をしてきて、私が確信していることのひとつです。
家庭で今日からできること
①「終わった?」ではなく「丸つけどうだった?」と聞く
この質問の変更だけで、子どもの意識はLv.1からLv.3に動きます。親が何を大事だと思っているかが、質問に表れるからです。
② 間違えた問題に、一言書かせる
「なんで間違えたと思う?」と聞いて、答えを一言だけノートに書かせる。最初は「わからない」でも構いません。考えようとすること自体が訓練です。
③ 100点より「よく直せたね」を褒める
これが一番大事かもしれません。100点を褒め続けると、子どもは間違いを隠すようになります。直し方を褒めると、子どもは間違いを見せてくれるようになります。
レベルを上げるには「何度でも戻れる環境」がいる
ここで正直な話をします。Lv.4・Lv.5に上がるには、間違えた内容をもう一度確認できる場所が必要です。
「なぜ間違えたか」を考えようとしても、そもそもその単元の理解があやふやだと、原因までたどり着けません。分数のたし算を間違えた子が、通分の意味を忘れていたら、考え直しようがない。
教室では、授業を止めて前の単元に戻ることができません。でも家庭ならできます。つまずいた単元に、何度でも、誰にも気を使わずに戻れる。これが家庭学習の最大の強みです。
動画教材は全学年見放題なので、5年生の子が4年生の内容に戻るのも自由です。「なぜ間違えたか」を親子で探すときの、辞書のような使い方ができます。
まとめ:差がつくのは、丸つけのあとの数分
- 学習の質には5つのレベルがある。かかる時間はほとんど変わらない
- Lv.5は「自分のミスをコメントに残せる」=学びを客観視できている状態
- レベルを子ども自身に見せると、自分で上を目指し始める
- 家庭では「終わった?」ではなく「丸つけどうだった?」
- 100点ではなく直し方を褒める
勉強時間を増やすのは大変です。でも丸つけのあとに数分足すことなら、今日からできます。その数分が、1年後に大きな差になります。去年の教室で、私はそれを目の前で見ました。
あわせて読みたい
- 「授業についていけない」子のサイン|現役教師が教室で見ている5つのポイント
- 「9歳の壁」の正体|現役教師が教える小3・小4でつまずく本当の理由と乗り越え方
- 現役教師がスタディサプリ小学講座を本音レビュー|教室で「伸びた子」に共通していた3つのこと
この記事の執筆者:タカ先生(現役小学校教師・教員歴15年)
公立小学校に15年勤務。担任として、子どもたちに「学び方そのもの」を教えることを大切にしています。この記事のレベル表は、実際に教室で使っているものです。2児の父。詳しいプロフィールはこちら
