- ・うちの子、なかなか勉強しなくて…
- ・言われないと勉強を始めない子で…
そんな悩みを抱える保護者は多いですが、現役の小学校教師として保護者と話していると、悩みが多い家庭ほど、父親の影が薄いです。
そして「父親が積極的に勉強に関わっている家庭」というのは、本当に稀だとも。
でも、だからこそ思うのです。父親の関わりには、大きな価値がある。
この記事では、教師であり2児の父でもある筆者が、「忙しいパパでも無理なくできる学習サポート術」と、「父親が関わることで子どもに起きる変化」についてお伝えします。
なぜ「父親の学習サポート」が注目されるのか?

子どもの勉強といえば、「ママ任せ」が当たり前になっていませんか?子どもたちに「家で勉強は誰とやってるの?」と聞くと、多くが「お母さん」と答えます。学習に関するサポートが母親中心になっている家庭が圧倒的多数です。
現役教師として保護者と関わる中で、父親が学習に積極的に関わっている家庭は本当に稀です。しかし、それだけに父親が関わることで、子どもの学習に与えるインパクトは非常に大きいと感じています。
実際に、父親のサポートを受けている子どもは、学力だけでなく学ぶ姿勢そのものが前向きで、自立した印象を受けます。もちろん、学力も高い子が多いです。
そこで今回は、2児の父である私が実践している「忙しくてもできる父親の学習サポート術」を具体的にご紹介します。
忙しいパパでもできる!勉強サポート術5選

1. 「今日はどんな勉強したの?」と聞いてみる
毎日が忙しく、勉強を見る余裕がなくても、子どもに関心を持っていることを伝えるだけで十分なサポートになります。
- ・今日の算数、面白かった?
- ・今日の漢字テスト、どんな字を書いたの?
- ・今、国語ではどんな勉強してるの?
簡単な声かけを日課にするだけで、子どもは「見てもらっている」という安心感を得られます。そして、パパとの会話をきっかけに学習の内容を振り返ることにもるので、定着にもつながります。

今日、勉強したところはどこ?と教科書やノートを一緒に見てみると良いでしょう!
2. 宿題を見なくても“応援のひと言”を伝える
直接教えられなくても、「頑張ってるね」「すごいね」といった応援のひと言は、子どもにとって大きな励ましになります。
特に、学習に対しての父親からの声は新鮮で印象に残りやすく、「また頑張ろう」という気持ちに繋がります。大げさでなくて大丈夫。
- ・今日もやってるな、えらいね!
- ・パパも◯◯をがんばろう!
- ・□□ががんばってる姿を見ると、お父さんもがんばれるよ!
- ・勉強に取り組めるっていい子だね!
一言そっと伝えるだけでOKです。
3. テスト前は一緒にスケジュールを立てる
忙しくてテスト勉強を見てあげられなくても、スケジュールを一緒に立てるだけで、子どもの意識は変わります。
・いつ国語の復習する?
・前日に見直し時間とれるかな?
・テストまでに◯日だから□ページずつ進めるといいね!
そんな簡単な相談で十分です。
子どもの「やらされる」から「自分でやる」への意識の切り替えにもつながります。
4. パパの「得意」や「仕事の話」を学びにつなげる

父親だからこそ話せることを、子どもの勉強とつなげてみましょう。
- ・計算ってパパの仕事にも使うんだよ
- ・この工事には図形の知識が必要なんだ
- ・買い物してるときにも、割り算や割合の考え方って使うよね
そんなパパとの会話は学びが社会とつながる瞬間をつくることができます。
知識の意味や価値を実感できることで、子どもの学習意欲は自然と高まります。
5. テストの点より「努力」や「プロセス」を認める
点数だけを褒めるのではなく、「最後まで頑張ったね」「前より速く終わったね」など、努力したことや変化を言葉にして伝えるようにしましょう。
結果よりもプロセスを見てくれる存在がいることで、子どもは安心して挑戦できるようになります。
「見てくれている」「認めてくれる」という気持ちが、学び続ける力の土台になります。

そんな会話から自己肯定感、自己有用感が育ちます!

父親の関わりがもたらす「学び以上の効果」


父親が勉強に関わることは、学力向上にとどまらず、子どもの心や人間関係にもよい影響を与えます。
- ・「お父さんと一緒に考えた」という体験が、自己肯定感を育てる
- ・難しいことでも「応援されているから頑張ろう」と前向きに取り組める
- ・父子の信頼関係が深まり、将来的なコミュニケーションの基盤になる



【まとめ】勉強に関わるパパは、わが子にとって「特別な存在」


- ・どうやって関わればいいかわからない
- ・子どもの時間に関わる時間がなくて無理
- ・勉強はママが関われば大丈夫なはず
そんなふうに感じている父親も多いかもしれません。
でも、関わり方はとてもシンプル。ほんのひと言、少しの会話、さりげない応援でも十分効果があります。
父親が関わってくれるというだけで、子どもは大きな力を得られます。勉強が得意になる以上に、「自分には応援してくれる人がいる」という自信が、子どもを強く育てていきます。
まずは今日、帰宅後の「今日は何を勉強したの?」から始めてみませんか?勉強だけでなく、人生そのものにプラスになる力を育てられるのが、父親の関わりです。


